油そばの名店 武蔵野アブラ學会 吉祥寺店
お勧めの油そばのお店があるのでご紹介します。
場所は、吉祥寺のいきなりステーキの2階です。
JR吉祥寺駅公園口を出たら、右に直進します。
狭い路地をバスが通るあの一角です。
一階入り口のこの看板が目印です。
階段で2階に上がります。
その名も、「武蔵野アブラ学会」。
44歳になった私も、時折ふと油そばが食べたくなる時があるのですが、その時には迷わずこのお店に行きます。
メニューはこんな感じです。
今回は、美香と中2の娘とでお店を訪れました。
娘は油そば初体験です。
券売機でチケットを購入します。
入口で食券を買い、テーブルにどんぶりがやってきました。
大盛無料!見た目で満足感のあるボリュームです!
武蔵野アブラ學会のTwitterの映像も紹介しておきます。(*下の画面をクリックすると、映像と共に、音が出て、自動でループ再生されます。もう一度クリックすると、動画は止まります。)
尚武の気風を高める為に、投じておきます。 pic.twitter.com/QbFfU9fbI2
— チン正男@武蔵野アブラ學会 (@masaotin) May 12, 2021
ナムルとスープは食べ放題です。100円でライスも食べ放題。
ドリンクをオーダーすると付いてくる炒めピーナッツも美味しいですよ。
黒ウーロン茶で乾杯!
カウンターはこんな感じ。
感染対策もぱっちりです。
オーナーの木村考宏さんにインタビュー
画面中央がオーナーの木村考宏さん。
実は、佃隆と同じく、ICU(国際基督教大学)の同窓生です。
今回は同じく同級生も交えて、移転記念ということで集いました。
ここからは、隆と美香と木村さんとのインタビュー形式でお届けします。
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隆:ICUでは学科はどちらでしたっけ?
木村:経営です。経営学科、ICU的にはSS(Social Studies)。
隆:もともとどうして油そばのお店を開いたんですか?
木村:まず「油そば」について説明しますね。中央線沿線には東小金井にある宝華っていうお店とか、武蔵境の珍々亭っていう油そば発祥であるお店も武蔵境にあったり。一説には1950年ぐらいに、その珍々亭に中国福建省出身の従業員がいて、ある日ラーメンのスープが売り切れで無くなっちゃって、それでもお客さんがどうしても麺が食べたいと。そうしたらその中国人従業員が、オーナーに「スープがなくても食べられるラーメンもありますよ」って言って、で、作って出したらお客さんがおいしいって話題になってそこからあの辺の学生たちのソウルフードになっていったという。油そばという名称がジャンクに感じさせますが、由緒ある東京西部地域の名物食なんです。
隆:昔、油そばを食べてた訳ではなくて?
木村:大学時代は寮生でしたので、それこそ毎日のように食べていましたよ。実は油そばは福建省がルーツなんです、全ての。そういう歴史的な東アジア料理であることを知って欲しいのです、今日はまず。
隆:あ、そうなんだ
木村:汁なしラーメンは上海に行ったら葱油拌麺(ツォンユーバンメン)として名物料理だったり。それが海を渡りマレーシアではフッケンミー(福建省の名前がついてます)、タイではバミーヘンとなっていきました。(バミーも拌麺から来てるらしいです。)
うちもなんか歴代ずーっと福建省の人が働いてくれていますね。アブラ学会池袋店オーナーも福建省出身だし。
美香:それで油そばは好きになって、お店を出そうと思ったんですか?
木村:そうなんですけど、まあ、散々偉そうに油そばを語ってきましたが、実は最初担々…てかまあ最初はカフェやろうと思ってたんですよ
美香:油そばじゃなくて?
木村:じゃなくて。投げ銭で色々なアーティストのライブが楽しめるカフェみたいな。朝食も売りなカリフォルニアスタイルのお店を。で、カフェですからやっぱ天然酵母のパンとかお洒落な料理を色々出そうと思って。同じくICUの卒業生で売れない画家をやっていた角幡陽平という奴と一緒にやろうぜと盛り上がり。それで二人でパンやカフェの研究をしていたんです。私はサラリーマンやりながら。土日は男2人で有名なカフェ渡り歩いて、マフィンとか黙々と食べたりしながら。で、2009年の夏、半年後にカフェを開業するぞと、そろそろ何か動こうと勢いだけはあった角幡がパンを学びに間違って中国四川省の成都に行っちゃったんです。
木村:で、やっぱりその、パンに関しては大したことなくて、四川省(笑)小麦粉のクオリティとか相当低いらしく。そもそも麻婆豆腐とか火鍋が有名な地域ですから、パンなんか大した食べないんです。その前段階の話として、私と角幡はその頃天然酵母のパンを柏にあるZopf.の店主伊原さんっていうパン界のカリスマに習ったりしていまして。そしたらタイミングよく共通の友人N(そいつもICU卒です泣)が四川省成都で、日本を代表する某パン会社の会長と台湾の有名な大富豪が共同で創業したパン工場で雇われ社長をやることになり。我々がパンに情熱を注いでいることを聞き付けたNに勉強として来てみるか誘われ、仕事も無く暇していた角幡が、それは良い機会だ!とパンを習いにいったという話なんですがが・・その工場やはり添加物…すごいんですよ。天然酵母なんか全然使用してなくて。大量生産・長期保存を目指したパン。全然これは俺らがやろうとしてるのと違うんじゃないかということになって、角幡はパン工場はすぐ辞めて、ビザが2ヶ月ぐらい残っているからじゃあもう麺屋で働くわつって。中国と言ったらやっぱり麺だろうと。地方からの出稼ぎの人たちに交じって,蘭州拉麺という手延べラーメンを出す店で働いたんです。一杯50円くらいの。
その後ビザが切れて中国から角幡が日本に戻るんですが、勿論パンの技術は何も身についていなく、しかし麺屋では沢山働いたという。私としては、なんだそれは、と思いましたが、もうパンはどうにもならない。それなら最初はちょっとお金貯める意味で、経験も生きるだろうし麺屋でもやろうかと。折角四川省行ってたんだったら担々麺かって話になって、それで開いたんです。板橋区大山で。私も武蔵境にある四川料理屋さんで料理を習っていた事もあったりしたので縁も感じ・・。
ただ、ホテル仕様の豪華な担々麺を700円で出してたら原価が高すぎてビジネスとして全く成立せず仕入れ資金も尽きた頃、学生時代を思い出し、やけくそで作った油そばがすごい人気になっちゃって。
じゃあ油そばやる?って言って。(笑)
それで油そばを…
美香:うける(笑)
木村:売れるものをやるみたいな。それで、担々麺開業から早くも6か月後に早稲田で武蔵野アブラ学会1号店を出店しました。善は急げで。しかも突然パン工場の社長を辞め帰国し、岐阜でペット霊園を営んでいた件のNも東京に呼んで。パン失敗の責任とれって笑 同窓生3人で。
隆:喜んでもらってなんぼですよね。
木村:はい。お客さんがいるってことだから、それでもいいのかなみたいな。しかも気づいたらバイトも中国人だらけになっていて。その時に沢山いた福建省の従業員たちにも背中を押され。油そば一本でいこう、と。彼らも故郷がルーツの麺料理を売ろうとしている日本人がいると思って助けてくれたんだと思います。お客さんも従業員も喜んでいるならそれに越したことはないなあと。
隆:(娘に向かって)油そばを初めて食べた感想は?
娘:食べる前はこってりしてるのかなと思ってた。
食べた後のは、え、なんかこってりしてるけど、重くなくて、美味しいなと。
木村:なかなかやっぱ中学生は来ないんで、是非中学生に宣伝しておいて(笑)
娘:男子が好きそう。
隆:財布は親が握ってるから(笑)
美香:中学生のお小遣いもちょっとだしね。
木村:うちは物凄いサービスしてまして、ポイントカードがあって1杯につき1ポイントついて、5ポイント貯めてもらうと1杯無料なんです。
隆:それはお得ですね。
木村:親が5回来たらポイント貯まるから、ポイントカードを子どもにあげたら、子供は無料で食べられるんです。
だから週5回、月から金まで親が来て、土曜日親が子供に渡せば…(笑)
隆:すごいマーケティングですね(笑)
とにかく美味しいし、油そばの中では、武蔵野アブラ学会が一番美味しいと思うので、ご褒美感覚で食べてもらえたらと思います。
今日はインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。
通販で、武蔵野アブラ学会の油そばを購入できます!
朗報です!
遠方で、食べに行けないという方のために、通販もあります。